ピラティスが心に影響するってどういうこと?

私はピラティスをメインのツールとして、いろんな方向性から身体を知り身体を変えたり使いこなしていく方法をお伝えする事をしています。他のボディーワークメソッドも好きですし、例えばヨガとか、ジャイロとか、キネシオロジーとかアレクサンダーとかetc。あとは、ちょっと違うけどタイ古式マッサージとか、ヘッドのマッサージも好きだし、ヨモギ蒸しなんて最高、双葉湯っていう近くの銭湯なんてお湯の効能ばっちりだし、海水浴へ行けば、かなり身体が蘇る感覚があって、健康にいいこととかやったほうがいいことなんてこの世にいっぱいあって、どれも素晴らしく、本当は全部を、「これやってくださーい!」って言いたい。笑

身体が良くなれば方法なんてなんでもいいと思っている

でも、そもそもどれが自分に合うのかなんて、私がいいと思うことは私にとっていい事なわけで、その人にしか分からない事だし、むしろそれを分かる事がとても大事で、何をやるかが大事なわけではない。

でも殆どの方は、「何をやるのか」にフォーカスしていて「自分の身体が何を求めているのか」、に気付いてない場合が殆どだと感じる。

この「身体が何を求めているのか」を感じるスキルさえ身に付けることができたら、運動のみならず人生そのものが豊かになっていくと私は確信している。それが精神的なことかもしれないし、お金とか仕事とか物理的なことかもしれない。それはなんだっていいと思う。

ピラティスは正にこの『身体が何を求めているのか』を感じるスキルを獲得するメソッドだと最近になって私はようやく理解した。ピラティス14年選手です。長いかもしれないけど、早いかもしれない。少なくとも今と今後私が伝えさせてもらう方々は、私よりも早い。

茶道 華道 弓道 書道 剣道 合気道 柔道

渡辺麻里奈さんが昔「ピラティス道」と呼ばれる本を出版された事がある。ピラティスの普及に間違いなく影響を与えた1冊だと私は思う。とても美しかった。運動というより芸術の美しさ

中身が美しく動くと、見た目は絶対に美しくなる。でもスタートは中身から、外見から変えることはできない

この「道」がつくお稽古事は、技術の習得だけが目的ではなく、そこから心・身を一つにするという目的がある

どの道にも「型」がある。ピラティスにおいてもエクササイズという「型」がある。まずはこの型を見様見真似でいいから、覚えてからがスタートライン。型が入ってきたらようやく型の事を考えなくて済むからいよいよ身体への内観へと突入していく。

まぁ、例えば足だったらまずは踵とお尻を繋げていくことを探し体得していく。そのためにもしかしたら足の指先のどれかにフォーカスするかもしれないし、足首の向きが変わるのかもしれない。そこは人それぞれ。最初はシンプルな動きから少しずつ意識する場所を増やして行って自分の身体の感覚とコネクトさせていく。その中で自分の意識では動かない部分だったり、感じることすらできない場所なんかが出てきて、どうやったらいいのか分からない時が出てくる。その時に自分がそれ自体をどう感じるのか、だったり、それをどう扱うのか、だったりが「道」のつくものの醍醐味だと思う。

それを「できない」と判断するのかも自分、「こんなに眠っているのか」と判断するのも自分、「キツくて自分には無理だ」と諦めるのか「悔しい」と感じるのか「悲しい」と感じるのか、はたまた絶対できるようになったるで!と闘志が湧くのか、なーんにも感じないのか。etc。どれが正しいとかではなく、自分がその時どう感じているのか、ってところが大切。あぁ、自分はこういうふうに捉えるのか、というのを感じていただけたらいい。

私はレッスン中によく言っている、「動きができることは目標ではあるけれど目的ではないですから。」自分自身にもよくいう言葉だから、クライアントさんにもよく言う。だって、そうだから。

自分がエクササイズの型を通してどう感じ、どう判断しているのかを内観できる。どう動くかに性格は本当によく出てくる。身体は本当に正直。目は口ほどに物を言うと言うけれど。本当にそうだ。自分の動き方で自分の癖が良くわかる。

私の場合だと、心に余裕がない場合動きが速くなったり、力の配分がバラバラになる。だからマシンが動かなかったりする。こういう時はピラティスに限らず、大事なことはあんまりそのタイミングでやらない方がいい。笑。こういう時は逆にゆっくりじっとり動いてみると、自ずと心にも影響が出てくる、動きによって脳みそに外からフィードバックしていくのだ。これは本当に効果絶大。はっきり言って瞑想するより私は楽。だから動き終わったあと時間が少しだけゆっくりに感じられる。あとは、喫茶店にお茶しに行こうとか、一人の時間をゆっくり作ろうとかっていう「選択」ができる。ピラティスの動きの内観によって行動を選択できる。つまり身体からの声を聞けるわけ。

私はこのことこそが、ピラティスで得られる最も大きな効果だと思っている。

もちろんお尻が上がるとか、姿勢がよくなるとか外見的な変化はあるし、それ自体ももちろん嬉しいんだけど、この、身体の声を聞くっていうスキルを身に付けさえすれば、自分が行う選択そのものに、自信が持てる。どこかの占い師に自分の未来を真剣に聞く必要もないし、この沢山ある情報社会の中で自分が迷子になることもない。

自分が全ての答えを持っているのだから

                                               

»